「現場監督ってどんなことがきついのかな?」
「施工管理の仕事が辛いって本当?」
施工管理の仕事は、きつい・つらいと言われることがあります。
しかし、ネットの情報では、実際はどんな仕事をしてて、何がきつかったり辛かったりするのかは漠然としています。
元大手ゼネコンで施工管理経験者で、今は小さな工務店に勤める僕が、実態を教えます。
本記事では、施工管理(現場監督)の何がきついのか、辛いのかを実体験を含めて紹介します。
大手ゼネコンと小さな工務店での施工管理経験から、現実味のあるお話ができるかと思いますので是非最後までご覧ください。
施工管理からの転職先のおすすめが知りたい方は、下記の記事からどうぞ。
施工管理(現場監督)がきつい・辛いと感じる理由12選
僕が今まで現場監督として施工管理をしてきた中で、本気できつい・辛いと思ったことを紹介します。
- 朝が早い
- 残業が長い
- 土曜祝日は出勤
- 長期休暇が状況によって日数が減る
- 外仕事なので環境に左右される
- 台風や地震が起きると呼び出しがある
- 仕事量が異常に多い
- 現場特有の仕事が多い
- 職人の扱いが難しい
- 足が疲れる
- 電話が多い
- パワハラ系上司が多い
「施工管理はやめとけ」とか「身内には絶対に勧めない」とよく言われますが、本章を読めば理解できるかと思います。
1. 朝が早い
現場の朝礼は基本的に8:00スタートです。
5分前までに、作業着に着替えて朝礼会場に集合しておく必要があり、さらに朝礼前に職人さんと段取りの確認などをするので6:30~7:00までには出社するのが基本です。
現場が遠いと始発電車に乗らなければならない場合もあるので、朝起きるのがきついです。
2. 残業が長い
現場監督は残業時間が長い傾向にあります。
僕がゼネコン時代に経験した現場だと22:00までは全員残って作業をしていました。
現職の小さな工務店だと、19:00~20:00には帰れますので、ゼネコンは特に帰りが遅い傾向にあります。
3. 土曜祝日は出勤
世間では働き方改革によって改善しようとする動きがありますが、実態は99%の現場が土曜祝日も普通に現場が動いています。
大手ゼネコンですら、そういった状況でしたので建設業はまだまだブラックな環境に変わりありません。
4. 長期休暇が状況によって日数が減る
年末年始、GW、お盆休みの長さは、現場の工期によって変わります。
基本的には一般的な会社の半分程度で、工期が厳しければ休みなしということもあります。
ちなみに僕が過去に経験した突貫工事の現場では、年末年始の休みが1/1だけということもありあました。
5. 外仕事なので環境に左右される
内装やリフォームの施工管理は別ですが、ゼネコンなど新築工事の現場監督は、屋外での作業がメインです。
夏は汗だく+ヘルメット焼け、冬は凍えそうになりながら仕事をし、雨の日はびしょぬれになりながらの作業になります。
特に、夏はかなり過酷な環境なので、熱中症で体調を崩す監督もいます。
6. 台風や地震が起きると呼び出しがある
台風の時期は、台風の予報があると現場に泊まり込みで待機しなければなりません。
平日だったら100歩譲って許せますが、日曜に上司から呼び出しがあったりもします。
天候に左右されるのがかなり辛いところです。
7. 仕事量が異常に多い
現場監督は、日中は職人の対応で現場にいることが多く、職人が帰った18:00以降に事務作業を行います。
また、大きな現場だと1人当たりで複数業者を担当するので、基本的に1日中現場を走り回っていることが多く、仕事の密度が恋です。
8. 現場特有の仕事が多い
施工管理の仕事は、工程管理・品質管理・安全管理・コスト管理がメイン業務と言われていますが、実際は細かな現場特有の仕事が多いです。
- 朝礼
- 毎日の安全巡回
- 昼の打合せ
- 安全看板の整備
これは一例ですが、通常業務以外にもやることが盛りだくさんなのでかなり疲弊してしまいます。
9. 職人の扱いが難しい
現場監督は、職人と会話することが圧倒的に多い仕事です。
人によっては、わがままだったり、かまってちゃんだったり、すぐ怒る人だったり、一生愚痴を言ってくる人だったり、めんどくさい人が多いです。
そういった人の機嫌を取りながら仕事をしなければならないので、結構めんどくさいなと感じます。
10. 足が疲れる
大きな現場だと、日中現場内をぐるぐる歩き回る必要があるのでかなりの歩数になります。
僕の経験上、大型現場だと平均1日3万歩近くになりますので、これが毎日続くと足の疲れが一生取れていない状況です。
夕方ごろになると、すぐにどこかに座りたくなってしまうくらいしんどいです。
11. 電話が多い
現場監督は電話が多いです。
1日に50件以上かかってくることもあるので、着信音恐怖症のような状況になってしまいます。
1本の電話によって、仕事が新たに増えることになるので、なかなか自分の仕事が進まないことも多いです。
12. パワハラ系上司が多い
現場監督は、職人を扱う仕事ですし、危険を伴う作業も多いので、怖い人が多いです。
昔の名残で、いまだに手を挙げる人もいまおり、少なくなっているとはいえパワハラは健在です。
仕事に追われるだけでなく上司からのプレッシャーもあって、精神的に参ってしまう人も多いのが現状です。
施工管理(現場監督)の仕事内容・1日の流れ
施工管理の仕事内容について、改めて紹介します。
施工管理・現場監督のきついこと、辛い事を紹介しましたが、実際どういう状況か想像し辛い部分もあるかと思いますので、僕の経験を踏まえて1日の流れを紹介します。
扱う物件によっても変わってくる為、前職のゼネコン・現職の小さな工務店に分けて説明したいと思います。
- 6:30 出社
- 6:30-7:00 職人に渡す資料の準備
- 7:00-7:30 職人と作業前の打合せ
- 7:30-8:00 朝礼準備
- 8:00-8:30 朝礼、職人と作業前の打合せ
- 8:30-11:30 職人からの電話対応、現地確認や資料を追加で渡す等の対応(10件以上)
- 11:30-12:00 昼の打合せ
- 12:00-12:15 職人と明日の段取り確認
- 12:15-13:00 昼休憩
- 13:00-15:00 午前中の対応の続き、新たに出てきた問題などの対応(5件以上)
- 15:00-15:30 職人と打合せ
- 15:30-16:00 検査や施工写真撮影
- 16:00-17:00 今日お願いした作業の確認
- 17:00-17:30 明日の作業の段取り
- 17:30-18:00 職人の日報確認、明日の作業の最終確認
- 18:00-19:00 写真整理や回覧の押印等ルーティン業務
- 19:00-22:00 職人から依頼された資料作成、指示書作成、工程作成や施工計画
- 22:00~ 退勤
- 8:30 現場着
- 8:30-10:00 作業指示
- 10:00-12:00 車の中で事務作業
- 12:00-13:00 昼休憩
- 13:00-15:00 移動・別現場で打合せ
- 16:00-17:00 朝の現場で作業確認
- 17:00-18:00 事務所へ異動
- 18:00-19:00 事務作業と明日の段取り
- 19:00~ 退勤
ゼネコンは、工事の規模も大きくやることが多いです。
1日中何かに追われているといった状況で、気づいたら夕方だったという感じです。
逆に、現職の小さな工務店の場合は、1日に0~2件程度現場が稼働していますが、数日で終わるような短工期の現場がメインなので仕事量は圧倒的に少ない傾向にあります。
施工管理(現場監督)は工種によってきつさが変わる
さきほど施工管理の仕事内容のところで少しお話しましたが、施工管理は工種によってきつさ・辛さが変わります。
どのような違いがあるのか、解説していきます。
- ゼネコン・サブコン
- ハウスメーカー
- 小規模な工事を扱う工務店
1. ゼネコン・サブコン
ゼネコンやサブコンは、新築・改修問わず規模が大きな工事を行う為、基本的にはきついです。
よく、大規模現場は監督の数が多いから休みとかも回せて楽そうだと思われることが多いのですが、職人の数も多くなるので普通に激務です。
さらに、ゼネコンが担当するような工事は、施主も厳しい傾向にあるので、検査関係の書類等やることが山積みです。
施工管理の中では特にきつい部類になります。
2. ハウスメーカー
ハウスメーカーは、ゼネコンと違い現場の規模が小さいので1人で何物件も担当することになります。
仕事内容は異なりますが忙しさはゼネコンと変わらず、施工管理の中ではきつい部類です。
3. 小規模な工事を扱う工務店
店舗内装や、住宅だったり病院の一室のみのリフォームなどを行う会社のことを指しています。
こういった会社は無数にあるので、一概には言えませんがゼネコンに比べると仕事量はマシな傾向にあります。
僕自身、現在こういった会社に勤めていますが、施工写真等もほとんど撮らないですし、工期がひっ迫することも少なかったり、現場で起きた問題もノリで解決したりという感じで、前職のゼネコンに比べると仕事量が圧倒的に少ないです。
ただ、休みは週1回で祝日も仕事なので、出勤日数的にはゼネコンと変わりません。
きつい・辛いという現状の改善方法を教えます
施工管理(現場監督)がきつい・つらいと感じた時の改善方法を紹介します。
僕自身がゼネコンで実際に経験した内容ですので、参考にしてみてください。
- 現場が落ち着くまで我慢する
- 転職先を探す
- 内勤へ異動
- 転職する
1. 現場が落ち着くまで我慢する
「毎日朝早くから夜遅くまで働くのがしんどいな」
「睡眠不足で眠いな」
こういった緊急性を要しない辛さの場合は、現場の忙しさが落ち着くまで我慢するという方法しかありません。
僕は睡眠時間が少なくてしんどかった時は、現場に泊まったり現場近くの漫画喫茶で寝ていたことがあります。
世も末のような生活でしたが、毎日7時間ほど睡眠時間を確保できていたので精神的には楽でした。
2. 転職先を探す
「施工管理をやめたい」
こういった場合は、勢いで辞めるのではなくまず転職先を探しましょう。
転職エージェントに相談してみて、今の自分が狙える転職先や給与を把握することで、現状のまま頑張るのか転職した方が良いのか判断することができます。
3. 内勤へ異動
「上司と合わない」
「施工管理が辛すぎて限界に近い」
こういった今すぐに逃げ出したいというレベルであれば、内勤へ異動するという手段があります。
同じ会社であれば給与体系も変わらないので、勢いで仕事を辞めてしまうより安全なルートだと言えます。
人事に相談するというのは時間がかかりますので、僕が実際に経験したサクッと施工管理から内勤へ異動できる方法を参考にしてみてください。
4. 転職する
小さな会社で内勤へ異動しても辛さが変わらない場合や、建設業と縁を切りたい場合は、転職の道しかありません。
まずは自分のやりたい仕事や狙える転職先を探し、転職活動を始めましょう。
施工管理(現場監督)の魅力を解説
施工管理(現場監督)のきついところばかりを紹介しましたが、一応魅力についても紹介したいと思います。
それなりの規模のゼネコンの現場監督であれば、残業代が付くので年収が良いというのが一番の魅力だと思います。
僕が大手ゼネコンに勤めていた時は、20代後半で900万以上もらってましたので、お金に余裕がありました。
また、普通のサラリーマンと大きく違うところは、スーツではなく作業着で働くということです。
作業着なので、動きやすいですし、汗だくになろうが現場で汚れようがあまりに気にならないというところがメリットです。
そのほかにも、施工管理は意外と楽だなと思う点がいくつかありますので、詳しい内容はこちらの記事をどうぞ。
きつい施工管理(現場監督)の働き方は今後どうなる?
近年、働き方改革により労働環境を改善しようという動きが出ています。
しかし、2023年現在でも大手ゼネコンですら労働環境はあまり変わっていないというのが現状です。
会社の方針として、週休2日にしようという動きがあり、入札の段階で週休2日として工程を書いていることが多いです。
ただ、入札物件は安くて短工期の方が受注の確立が上がりますので、最終的には金額を下げて工期を短縮するために週1日休みに変更していたりします。
残業も、勤怠上は実態より少なく入力し、実際は今まで通り月100時間以上残業しています。
今後、さらに規制がきつくなれば改善される可能性もありますが、まだまだ先になるだろうと予測しています。
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